もみ殻活用

⽇本だけで約200万トン、世界では約1億5千万トンものもみ殻が毎年排出されています。
過去に多くの企業がもみ殻の加⼯装置の開発に取り組んできましたが、もみ殻の硬さが⼤
きな壁となり、実⽤化したものは極めて少ないのが現状です。
私たちはこのもみ殻に注⽬し、「グラインドミル」を開発しました。グラインドミルは、
もみ殻をすり潰し、固形化する装置です。

グラインドミルの仕組み

グラインドミルを使うと、棒状の固形燃料「モミガライト」、コイル状の固形燃料「カールチップ」、「すり潰しもみ殻」を⼿軽に作ることができます。技術についての詳細はこちら(英語)をご参照ください。

モミガライト

モミガライトは、もみ殻をすり潰した後、圧縮成形・加熱することで作られる⻑さ約35センチ、直径約5.5センチの中空状の固形燃料です。原料は100%もみ殻で、固形化のための接着剤等は使⽤していません。
トロムソはモミガライトの開発により、広島県から「新事業分野開拓事業者」の認証を受けています。
湿気に強く、⻑期間の保管も可能であり、燃焼時の排気に窒素酸化物,硫⻩酸化物を含みません。含⽔率が低い(約5.5%)ため,煙の発⽣が少ないことも特徴です。
モミガライトは温室ハウスの加温⽤燃料、温浴施設のボイラー燃料、⾃治体の⾮常⽤備蓄燃料やバーベキュー⽤の燃料などとして使われています。

カールチップ

カールチップは、モミガライトと同様、カーボンニュートラルなもみ殻固形燃料です。加熱せずにらせん状に圧縮成形しており、着火性に優れています。
工業用途として、石炭火力発電所や石炭ボイラーで石炭と混焼させることでCO2を削減することが期待されており、インド・パンジャブ州やベトナム・ソクチャン省において実現可能性(FS)調査を実施しています。

すり潰しもみ殻

すり潰しもみ殻は、もみ殻を粗くすり潰したものです(直径1~3mm)。吸⽔性・保⽔性に優れているため、家畜の敷料として最適です。また、⽔稲⽤の育苗培⼟、園芸⽤の培⼟としても使⽤することができます。
通常の培⼟に⽐べて軽量でコストダウンにもつながります。

浄水器

もみ殻から作った特殊な活性炭を使った、高機能な浄水器です。このもみ殻活性炭は、微小物質の吸着・担持が可能なマイクロ孔(~2nm)、メソ孔(2nm~50nm)、マクロ孔(50nm~)の3種の孔を持つ多孔質炭素材料のため、小さな細菌やタンパク質から大きな有機分子まで吸着することができます。もみ殻活性炭は、一般活性炭の除去能力を大きく上回る99.9%の細菌除去が可能です。もみ殻にはシリカ(ケイ素)が多く含まれています。シリカは肌や髪・骨など全身を構成する、美と健康に欠かせない重要なミネラルです。シリカはコラーゲンの再生・維持を助けて、骨粗しょう症予防や血行改善の効果が期待されています。特に稲由来のケイ素は、体内への吸収率が高いことが分かっています。もみ殻を利用した活性炭フィルターを使用することで、シリカの摂取をサポートすることができます。
技術についての詳細はこちら(英語)をご参照ください。